Before
金物位置変更によるダメ穴
ドアストッパーの金物の位置を変更したために元の位置にできたビス穴を補修していきます。
パテ埋め 面だし
下地処理とハードワックス埋め
ビスによるダメ穴はたいていビスを抜くと縁が盛りあがってしまっていてます。この膨らみはカッターで削ぎ落とすか押し込んでへこませてからパテ埋めをします。
写真は建具とよく似た色のハードワックスを充填しています。
ハードワックス充填方法
ハードワックスは熱で溶けるためスクレーパーやヘラをガストーチやライターで熱して使用します。
少し炙ってハードワックス液体になる手前、柔らかい固形になったあたりが扱いやすく傷に埋めやすいです。
熱しすぎると傷の周りが溶けたり焦げ跡になったりするので注意しましょう。
着色
傷の隠蔽と木目を描く
ハードワックスでの面だしをした部分にも木目を書き込んで補修跡の違和感をなくしていきます。
実際に直す柄をみて3色くらい目安に自分で調合して作ります。例えば一番濃い木目の色、一番明るく見える白っぽい柄の色、その中間の色を作ります。
色が出来上がればドライヤーで乾かしながら少しずつ着色していきます。このとき塗料の粘度はドロっとしない程度にラッカーシンナーなどで薄めましょう。乾きにくい上に塗料自体の厚みも出てしまいます。逆にあまり薄めすぎても傷の部分を隠蔽するに至りません。
塗っては乾かしてを繰り返します。あまり乾かさずに塗り続けると塗った部分を剥がしてしまいます。
着色セット
シンナーで溶けないパレット、家具補修用の塗料、筆(シンナーに強いもの)、薄め液にはラッカーシンナーを使います。
木目を描く時は傷跡が透けなくなるまで隠蔽をしてからなるべく細い線で描いていくと仕上がりが綺麗に見えます。
作りたい色をすぐにドンピシャで作るにはかなりの時間が必要なので作っては直す部材に塗ってみて調整していきましょう。
この時直す部材はシンナーで色が取れないかは確認しておいてください。シンナーで木目が消えてしまったり色が剥げてしまう場合は直接塗っての調整はできません。
After
仕上げ
柄を細い線で木目を繋げたりある程度想像で根気よく描き込んでいきます。近くで見たり離れて見て確認して違和感がなくなれば完了です。
塗料がテカってしまって目立つ場合はドライヤーで乾かしながらラッカークリアを少しずつ吹きつけ艶を抑えます。
お疲れ様でした!
艶合わせ(ラッカークリア)
補修用ラッカークリアは色々なメーカーの物がありますが、ここでは実際作業で使用したハウスボックスのエコスターを紹介しています。
吹き付けるすぎると垂れてきたりするのでドライヤーで乾かしながら使用するのがおすすめです。
直すものの艶に近い物を使用しましょう。艶の高い順に、鏡面、艶あり、3分艶消し、5分艶消し、7分艶消し、全つや消しがあります。
他のメーカーに、モホークやホシュールなどがあります。